「・・・お前 今何てった?」

「力の強い相手とセックスすると自身の霊力や妖力がかなりアップするんだ。上がった能力が 一時発散されて体にもいいしね。もっとも相手との相性も相当あるからホントに裏ワザだけど。」

先ほどの爆発で少し汚れてしまった頬をこころもち傾けながら、蔵馬は料理のメニューでも読むかのように さらりと言った。

しかしなぜか体の芯が熱い。蔵馬はそれを自覚していた。

桑原はいろいろなものをおさえながらそれでもようやく立ち上がることに成功する。

「オメー、彼女のいないオレをバカにしてんのかよー ったくモテるヤツはいいよなー」

「モテないよ」

「モテる!」

「モテないってば」

「モテるったらモテる!!」

「誤解だよ」

「いんや」

「ちがうって」

「いんにゃ!」

「ちがわない」

「いんにゃあ!! あ。」

「認めた。」

「や、やられた・・・」

「大体さっき言ったけど普通の人間相手じゃ意味ないし。」

大分日が傾き、森の中は涼しい風が吹き渡っている。

赤い日の残光が葉を透かして蔵馬の顔に影を作っていた。

桑原はちらちら揺れるそれを努めて見つめる。

髪をほどきながら蔵馬はくすくす笑っている。

(きかない弟とでも話してるカンジだな・・・)

人の気も知らないで・・・

「じゃー例えば幻海ばーさんとかか?」

「う」

「玄武とか」

「ぷっ」

「あ!オマエ!玄武に失礼だろ!!・・・って男だったか(つーより亀か)」

「あははは 別に男でも問題ないらしーけどね」

「じゃーえーと エンマ大王・・・ぶはっ 自分で言っててうける・・・」

「あははははは 桑原君にそーゆーシュミがあったとは・・」

「ぶふふふ がはははは」

うまくかわせたと思いながら桑原は思う様笑った。

「あははは 笑いすぎてくるしいよー桑原君・・・ちがうよ 例えば 雪菜ちゃん・・・」

突然桑原の体を稲妻が走ったようだった。

「オイ そういうこと冗談でも言うなよ・・・オレのは純愛なんだからな・・・」

ひどく低さを増した桑原の声が腕とともに蔵馬の胸倉をつかんだ。

強く一筋の風が吹き渡る。

しかしまったくひるむ様子もなく蔵馬はまっすぐに桑原の目をみつめかえす。

感情のよめない瞳。おそろしいくらい澄んだ。

「じゃあ。純愛じゃないところで・・オレとか?」









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